WikiLeaksに学ぶ情報の自由化の重要性と日本
2009年12月27日から30日にかけて、ウィキリークスがドイツ・ベルリンのBCC国際会議場で『26c3』というカンファレンスを行った時のプレゼンテーション動画の文字起こし(part5)です。
情報の自由化のためのWikiLeaksの重要な役割
WikiLeaks-Release-1.0-日本語字幕付き-(5-7)
IMF(国際通貨基金)による国際奴隷化
ジュリアン・アサンジ:だから、アイスランドで法制定をすべきは「今」なんです。EU参加の前に成立させれば、加盟国の法律がEUにも取り入れられるのです。EU全体ではなくても、他国の手本にはなります。EUに参加してからでは、反対する勢力が大きいですから。
ダニエル・シュミット:そうです。もう一つ重要なのは、アイスランドは被害者であること。真剣に考えなければいけない問題です。こんなのは初めてです。国際通貨基金(IMF)が先進国を、第三世界と同様に奴隷化しようとしている。
WikiLeaksリンク先:(IMF Internal Meeting Predicts Greek 'Disaster', Threatens to Leave Troika)
英国議会であわや成立しかけた条例があります。負債を返せなければ、アイスランドの自然の一部を取り上げると言うんです。アイスランドには、グリーンエネルギーが無限にあります。熱源も、氷河の水もある、貴重な資源です。
これが戦略的に重要なのは明らかです。世界を均一化し、自分たちで支配したい人たちにはね。
つまり、グリーンエネルギーがあって、冷却にも適している。何よりも、エネルギーを自給出来ます。電力も安い。今、ここにはアメリカのアルミニウム精錬所があります。アイスランドの人は誰もそんなもの欲しくないんです。
喜んで同じエネルギーをデータセンターにくれるでしょう。廃棄物も出さないし、世界に手本を示せます。有意義なことをして、エネルギーも節約出来る。サーバーも、冷却技術も最先端です。だから、世界中の手本になれる国なんです。
考えるほど、色々な要素がぴったりハマりました。この国が大きな政治的議論の真っ只中なのも、その一つです。ドイツと違い、みんなが関心を持っていて勢いがあります。世界中の人たちもそろそろ分かったはずです。
なぜ情報が自由であるべきか。そのために戦うべきなのか。
国際社会に、外側からアイスランドを応援して欲しいんです。1月に、皆さんに手伝ってほしいことがあります。アイスランドの人を勇気づけてください。関心のある人には、誰でもこのことを伝えてください。
そうやってアイスランドの人に、これがどんなに重要かを伝えるんです。アイスランドにだって、保守反対派はいますから、説得しなくては。
そこで皆さんの出番です。
以上で、アイスランドについて終わります。
ここで、ちょっと謝辞を。
WikiLeaksを支える様々な分野の人たち
ジュリアン・アサンジ:最初に言うべきかとも思うんですが。なぜなら、ここにいるのは二人ですが、弁護士、技術スタッフなどサポートは数百人もいます。
でも、僕にとって最も大切なのは、僕たちの情報源です。この会場にも何人かいるに違いありません。言わせてもらえれば、あなた方は偉大です。人間を信じたくなる。価値あることにエネルギーを注いでいるのを見ると。恐れずに。
あなた方のような人が増えてくれますように。
そして、僕たちもあなた方の信頼を裏切ることがありませんように。
また、主流メディアにも感謝します。驚く人もいるでしょうが、僕たちの情報のほとんどを報道してくれるのは彼らなんです。プロのジャーナリストです。
主流メディアには人を喰いモノにする人もいますが、素晴らしい人たちもいます。資金を提供できなくて残念です。
ダニエル・シュミット:そのほかにも、技術面、財政面のサポートや弁護士たちの法的なサポートもあります。彼らのサポートがなければやっていけません。
今年は素晴らしい人材も見つかりました。彼なしではやっていけなかったでしょう。感謝したいと思います。最前列にいる彼です。立ってくれるかな。皆さん、拍手を。まだ若いけど。
もっと多くの人が彼の勇気の半分でも持ち合わせ、僕たちに協力するために、彼が味わっている苦労や裁判沙汰に負けない勇気、その半分でも皆が持てば、世界は変わると思います。このコミュニティに出来ることの好例です。
市民に知らせるべき情報を知らせるという勇気の伝染
勇気は伝染するでしょうか?
そう、勇気は伝染すると、僕たちは思います。
ということで、最後のセクションへ。
お手元の紙切れがなんなのか、種明かしします。この間、アイスランドに行ったら、こんな男に会いました。タリバンがアイスランドで何してるんだろうと思って。だけど、よく見てみると、彼はサンタの一行と一緒でした。
僕たちに会いに来たんです。北極は近所ですからね。2010年のクリスマス予測という報告書をくれました。各人の成績表です。機密書類で、北極の人しか閲覧できません。
来年まで謹慎処分の人のリストが含まれています。2010年の12月27日まで。来年のカンファレンスの日です。来年のクリスマスプレゼントが危険にさらされています。能力を発揮しない人が多いからです。
彼らはすごく心配しています。皆が持っている能力を発揮しておらず、自由を奪う者と戦おうとしていないと。彼らはこれをリークしたがったんですが、交渉して、解決策を得ました。
この会場にいる人は幸運ですよ。リストから外してもらえます。2010年中に800個の番号を発表します。達成できていない仕事のリストです。
皆さんが持っている紙には番号が一つ書いてあります。僕たちはしばらく前から引換券を発行しています。僕たちを支援してくれる人たちに。
2010年中に何か役に立つことをした人には、引換券をもらい、それを番号と交換すれば、リストから消されます。
(続く)
アサンジ氏は、メインストリームの主要メディアに対しても感謝の弁を述べています。しかし、そこには日本のマスコミは含まれていません。
なぜなら、ウィキリークスをベースにしたニュース報道はほとんどないのだから当然と言えば当然です。
今のマスコミは、政権の顔色をうかがいながら、あるいは、もうすでに堂々と、戦前の大本営発表のような、各紙横並びの政権側・官僚側の情報を垂れ流すだけと言ってもいいかもしれません。このような状態を世界ではジャーナリズムとは呼びません。
とはいえ、日本国民がそれを望んでいるならば仕方ありません。元外務省国際情報局長を務められていた孫崎享氏に言わせると、国民は本当のことを知りたくないのだ、と。騙されたいのだ、と。確かに、そういう側面もあるでしょう。「変化」を嫌う人たちがどの層にも一定程度いるのは事実だと思います。
しかし、当サイトでは、事実を知ることは、物事を判断する大前提だと考えます。そして、たとえどんなに辛くて厳しい現実を突きつけられたとしても、それが事実ならば私たちは知る必要があり、日本人はその事実を知った上で賢明な判断を下すことができると信じています。
その「事実」に立ちはだかる組織が「記者クラブ」という日本の戦後最大級の情報既得利権団体です。国民の多くが「事実」を知る上で、彼らを支持し、選任したでしょうか?誰も彼らを選んでいないのです。まず、そこから気付くべきです。
国民が知るべき情報は彼らのものでもありませんし、彼らが取捨選択していいものでもありませんし、私たち国民は、彼らに対し、その重要な情報源たる国の中枢機関のなかで特権的に情報の寡占化・独占化、そして情報利権を認めたこともありません。
よく考えてみて欲しい。日本の大手新聞マスメディア業界の戦後を振り返ってみるとき、新規参入が過去一度もない業界が他にあるでしょうか?
今も現役である大物政治家は言います。日本は第二次世界大戦後、戦前にあった組織はほとんどGHQによって解体された。しかし、戦前から続いている組織が二つだけある、と。それは官僚組織とマスコミ(記者クラブ)組織だ、と。
このことは何を意味するのでしょう。
世界に目を向けてみると、海外でも、特に欧米のメインストリームメディアは一般市民から厳しく批判されています。メディア王なる実業家が戦争を扇動したりできる立場にあり、そうした批判から、メインストリームメディアに対するデモが世界各地で行われていることを、日本の国民のみなさんはほとんど知りません。
では、日本においてWikiLeaksのような対抗メディアがあるでしょうか?今のところ見当たりません。ですから、WikiLeaksから、私たち日本人が学ぶべきことはいまだもって多いと思います。
(参考:ジュリアン・アサンジ 「なぜ世界にWikiLeaksが必要なのか」 | TED Talk | TED.com)
ちなみに、ヒラリー・クリントンは、ジュリアン・アサンジの予告に戦々恐々としていると、世界中の賢明な人々はその様子を想像し、風刺画のようなコラを数々アップしています。
その一つをご紹介。
このこと一つ取っても、 まったく取り上げようともしない日本のジャーナリズムが腐っていることがよく分かるでしょう。
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